ベビーパウダー山崎

ホテル・シュヴァリエのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ホテル・シュヴァリエ(2007年製作の映画)
3.0
明確に濡れ場(というほどでもないが)を撮りたいとの意思を持ってこの短編に挑んだのは間違いなく、いまではいけ好かないガキが箱庭で人形遊びをしているようなくだらない映画しか撮らなくなったとしても、まだこの時期は、かつての素晴らしかった時代の映画をもう一度自分の手で再生し、尚且つ新しい地平を切り開くような創造をフィルムに刻み、目の肥えた映画好きさえも驚かせてやろうとの気骨がしっかりとあったのだと…ぼんやりと見直して、どうでもいいのに何だか勝手に寂しくなってしまった。いつしか、離れてしまった。本作のナタリー・ポートマンの半裸と『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(バカみたいに長いタイトル)のレア・セドゥの全裸、何が違うのか(変わったのか)を考えるとまた色々と見えてくる。
この頃はまだラストをスローにして誇大妄想的な物語を締めていた。どの作品からやめたのだろう、スローで終わるの好きだったな。