このレビューはネタバレを含みます
【青春のもがき苦しみ】
蜷川幸雄監督の作品ということで、気になって観てみた。第一印象は「自分にはまだ難しい」だった。
世界観が独特で説明しづらいが、奇妙な感じだった。最初と最後に映し出された東京の街並み、サラリーマンや店員など世間一般でいう「健全な人」が多く居る居酒屋でのあの3人のシーンなど、現代の若者がいくところまでいったまさに腐った姿を描写しているのだと感じた。しかし、これには価値観は人それぞれ違うというメッセージ性も感じられた。
19歳のルイは、2人の「ヤバイやつ」と出会ってタトゥーや舌ピなど悪いと言われている方向へと取り込まれてしまう。しかし、犯罪がばれないようにアマの髪を染めたことやシバさんの線香を変えるといった行動をすぐさま取ったのを観て、本当は心のきれいな芯のある人だと思った。
アマが殺した人の歯を「愛の証」としてルイに渡したことにはゾクッとくるものがあったが、インパクトがあって新鮮で、不器用なりに愛を伝えようとする誠実さといったものも感じられた。
