ウォン・カーウェイ監督の長編デビューの香港ノワール作品です。
この作品の見どころは若き日の香港スターたち。アンディー・ラウ、マギー・チャン、ジャッキー・チュン。ウォン・カーウェイ監督の常連となる彼らが最初から出ている。
本作品はウォン・カーウェイ監督のテーマが最初から現れていると思います。それは「すれ違いによる孤独感」です。ウォン・カーウェイ監督作品の登場人物たちは、すれ違い、別れる。これを繰り返します。本作の登場人物もまさにそう。
演出的には90年代の日本の深夜ドラマっぽい。なんか、懐かしい感じ。撮影監督はまだクリストファー・ドイルではないのですが、なんかそれっぽい感じはある。香港のネオンを淡い色調でとるとそうなるんでしょうね。また、ウォン・カーウェイ監督特有のモノローグもまだないです。
そういう意味で、ウォン・カーウェイ監督作品としては物足りない部分はあるものの、香港ノワールとしては十分に及第点以上だとは思います。
