ひでG

鬼畜のひでGのレビュー・感想・評価

鬼畜(1978年製作の映画)
3.5
僕の大好きで、尊敬する日本映画の2人の巨星の「けんさん」
高倉健さんと緒形拳さん。

2人は全く好対照の巨星である。
高倉健さんは、何をやっても健さん、よく映画を知らない人はこれを悪口と解するようだが、とんでもない!最高の誉め言葉言葉なんです。
健さんは高倉健として、役と同化していく。時には役を健さんの人間性で膨らませていく。変わらない素晴らしさを表せる数少ないスター。

一方の緒形拳さんは、役によって、映画によって、全然違うタイプを演じ分ける。
多色であることで、これまた映画を膨らませていく。

さて、この映画、ポイントはどうしようもないこの男の弱さ。
外に子供作って、引きとらされて、かみさんに頭上がらず、最後には・・・、
こんなサイテの弱い男がありきたりの演技で見せられちゃ、たまったもんじゃない。
怒りさえこみ上げてくる。

しかし、緒形拳さんが演じると、どっか「この男もなあ〜て、いかんいかん!」同情もしてしまうほど哀れ感を感じさせる。

緒形拳さん、この映画の近くに、殺人鬼の役やってんだよね。

とても同じ役者さんとは思えない。

この映画では、憎まれ役を全て岩下志麻さんが引き受けている。これも相当なプロ根性だと思うよ。
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