kissenger800

リコシェのkissenger800のレビュー・感想・評価

リコシェ(1991年製作の映画)
-
「ダーティハリー」シリーズの候補脚本として回ってきたけどイーストウッドが却下、って作品成立前エピソードは有名ですが、あのフランチャイズだって「3」以降はこれを悪く言えるほどの出来ではないし、そもそも「1」だって長編としての構成力に難あるじゃないですか。ただ、やるなら二次創作でやってくれ俺の知らないところで。って主演が言いたくなったとしても(=言ってない)不思議はない、そんな感じ。

ちなみに「ダイハード」と同じ世界線説もあるそうで、そっちは飲み込みやすいです。
単純かつ、主人公のためにだけ都合よく展開する物語。テレビというよりYouTube的倫理観が反映される数々のシーン。映えこそ正義。
どうですかナカトミ・プラザを思い出しましたか。
YouTubeはおろかインターネットすら誕生前の1991年作品ですが、今のSNSによく思う「えー、それ人類いっかい履修済じゃん、どこまで堕ちる気?」の解が、だいたい1990年ごろじゃね。という個人的仮説を強化する傍証がまた増えたような。

こんな作品、オスカー取った後に出る必要あったのか。となるものの、本人インタビュー記事を読み返してなんとなく、まあいいか。って感想に(2002年Playboy*)
「さあ次は何をやろうか、そうだ、アクションをやろう。って考えたわけでも他に依頼が無かったわけでもないよ」
「『グローリー』(1989)で受賞した日の晩、Spagoに居たらジョエル・シルバーが『何かやろうぜ』って話に来て8か月。文字通り何か出来た」
「黒歴史化して10年後にはアカデミー賞獲ったあとさっぱりだよな、って言われてたかもしれない。でもまあ、あの時はあの作品だった、ってことだよね」

*インタビューでいちばん熱く語っていたのは高校を卒業する息子がいかにアメフトの才能あるかって親馬鹿全開パートでした。良い。
kissenger800

kissenger800