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フローレスのkissenger800のレビュー・感想・評価

フローレス(1999年製作の映画)
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アマプラ無料に来ていたので久しぶりのフィリップ・シーモア・ホフマン(若い)。

『羊たちの沈黙』(1991)ぐらいなら分かるだろ、って字幕に反映されるものの『デンジャラス・マインド/卒業の日まで』(1995)『美人劇場』(1941)は反映されず、楽曲でいうと「レディ・マーマレード」(1974)「ネーム・ゲーム」(1964)あたりはスルー。
最後のなんてほとんど作品の主題歌なのにどうせ分かるまい、みたいな扱いなのはちょっとあんたバカにしすぎよ。だってたとえば劇中の「Poor Me, Pour Me Another Drink」てな台詞、この映画が公開されたはるか後年に当該フレーズをフィーチャーした楽曲がTikTokでバズって要は世の中だいたい同じところを何周もするものじゃない?

つまりね、トランスジェンダー登場人物を物語の中核に据えるこういう系、作品発表時の「社会の理解」が如実に作品に反映されて今の基準で見るとツラくなることが多いのですが-そこに関していえば-フィリップ・シーモア・ホフマンとロバート・デ・ニーロが物欲しげな要素を謝絶して古典芸能の型を演じる安定感あり、おかげさまで作品としての命脈が四半世紀経ってもつながっている。

まあ、何を言おうと俺たちの小でぶことフィリップ・シーモア・ホフマンを俺がいかに愛していたか。を思い出さずにはいられず、しんみりしたんだけど。亡くなって十年(!)経つのにいまだに受け入れられねえな。
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