よねっきー

カールじいさんの空飛ぶ家のよねっきーのレビュー・感想・評価

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)
4.2
空飛ぶ家を飛ばし続けるためには、思い出の詰まった家具を捨てなきゃいけなかったりする。いくら歳を取っても、仲間に先立たれても、自分が死なない限り旅は続いてしまう。未来を向き続けるっていうのが、失われた過去のためにできるいちばんの弔いかもしれない。

ピクサーの作品史で「普通の人」が主人公に据えられたのはこれが初である。相当なチャレンジだったんじゃないかな。フレッシュな若者の青春物語とかならまだ作りやすかっただろうけど、顔の四角い老人とまんまる小僧の冒険ものときた。攻めてるよなー。

最近のディズニー/ピクサー作品は、人種や年齢に拘らないキャラクター作りを心掛けてるわけだが、ここらへんの作品を見返して初心を取り戻してほしいもんだなー、と思う。キャラクターの多様性を意識しすぎて、かえって外面に意識が向かい、内面が疎かになってるパターンが多いんじゃないでしょうか。キャラクターを描く上で大事なのは、その人が何を経験してきて、いま何を思うか、という部分ですよ。もっと説得力のある描写を!
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