MARUKO

カールじいさんの空飛ぶ家のMARUKOのレビュー・感想・評価

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)
4.1
ピクサーの台詞のない短編アニメーションの技が光る冒頭の回想シーンは圧巻。表情だけで感情が伝わる。
貯金するけど“ま、しょうがないか”と何回も割る夫婦の明るさが伝わる。ネクタイを締めた数だけ年を重ねていく描写は考えられている。

素材の味を消さずに生かすのがとても上手いピクサー。
今回はさらにひときわ色の使い方。はじめはわくわくカラフルな色が滝に着いてみたらみたらどうだろう。色あせている。
「あれ?思ってたのと違うな。写真よりも家がちっちゃく見える。」
そして
「そうじゃない、家じゃなくエリーといた時間が大切だったんだ。もっと大切なものがこれからあるんだ。」
そう気付いたときまたパッと変わる。
“色の表情”が豊かだった。

未練の無くなった家との別れはとてつもなく美しかった。

ただの老人が主人公なのに、他のピクサーの産み出した有名キャラクターに劣らず。ところどころクスッと笑わせてくれるし、最後なんてちゃんと車椅子のとこに停まってる。ファンタジーだから若干強引な展開もあったが、映像もストーリーも細部までこだわりが感じられる。
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