やし

告白のやしのレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
4.3
『下妻物語』のレビューを書いたらこっちも書いとかなきゃっと投稿。

同じ監督(中島哲也)つながりで。
『下妻…』もめちゃ面白かったけど、こちらもテンションは違えど出来栄えは相当なもの。


序盤のホームルームのシーンから異様だった。
教室で無秩序に騒ぐ子供たちと、それを意にも止めず、静かにある"告白"をする女教師(松たか子)。

そして怒涛の物語が動き出す。


話の核となるのはプールにまつわるある"事件"で、関わるのは主に、教師やその生徒、生徒の親などだが、本作は「犯人は一体誰だ…?」というストーリーではない。

登場人物の誰目線でも見られるようになっているけど、共通しているのは"学校という空間がいかに特殊な社会であるか"ということ。
スクールカースト、イジメ、暴力などなど。
大人も子供もあっと言う間に飲み込まれてしまう。


『下妻…』とは違うけど、同じくセンスある映像と、徐々に明らかになる事件とその犯人の家庭事情、といった構成、悲しみとともにある決意を抱く松たか子の圧倒的に激しい"静"の演技、

…観終わっても色々と残る映画だったよ。


本作鑑賞後、湊かなえ原作の小説も買って読んだけど、間違いなかった。
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