ガブXスカイウォーカー

宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACEのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

4.0
多くの人が本作を観て、つい突っ込みたくなるのが、宇宙暴走族、宇宙警官、宇宙チンピラ、顔を銀色に塗ったガバナス人、マスク一つで宇宙遊泳、宇宙を航行する帆船などであろう。
中でも本作を象徴するのは、宇宙チンピラのジャック(岡部正純)だ。関西弁、ダボシャツにステテコ、短気、平気で人をだます、腕っぷしは弱いと、物語をひっかき回す人間のクズである(なぜこんな奴がリアベの勇士に選ばれたのかその理由は不明)。まるで時代劇かヤクザ映画の三下で、まったくSF映画に似つかわしくない。当時は「深作欣二(監督)や松田寛夫(脚本家)はSF映画をまるでわかっちゃいねーな!」と思った。しかしこの数十年間で様々な映画を鑑賞すると、関西弁のチンピラの出てくるSF映画もまたありだと思えてくる。まさに日本ならではのSF映画だ。

本作はツッコミ所ばかりが話題になるが、超大作だけあって見るべき点も多い。キャストはビッグ・モロー、志穂美悦子、成田三樹夫、天本英世、千葉真一、丹波哲郎、まだ新人の真田広之などなど豪華で、みんなノリノリ。声優陣も渋い若山弦蔵、元気いっぱいの岡本茉利など聞いていてじつに気持ちがいい。実写のSFアクション映画なんてみんな知らない時代によく演じ切ったものだと感心する。
なにより特撮が凝っていて、本家『スター・ウォーズ』にも匹敵する迫力である。ぜひ CGのない時代の、手作りの特撮を堪能してほしい。
断言しよう。『宇宙からのメッセージ』もまた再評価されるべき1本であり、日本映画を代表するカルトSF映画と言っていいだろう。今こそもう一度鑑賞すべきだ。きっと当時、リアベの騎士たちの活躍に胸を躍らせたファンのみなさんの郷愁を呼び起こすに違いない。
大オマケして4.0。