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半分の月がのぼる空のこどものレビュー・感想・評価

半分の月がのぼる空(2009年製作の映画)
4.3
病院での恋愛は何故こうも美しいのか。
公共施設は様々あるが、病院ほど社会主義的性質を色濃く顕す施設はないだろう。
「直接生命に関わる」という最大の特徴故に、合理性の追求、厳格なルール等、そこにはシビアな空気感が存在している。
そして「病院」というヴィジュアルイメージと、独特な空気感はリンクし、それらは互いに病院の持つ「整頓された冷たい機能美」という心象をより強く補強し合う。
そんな舞台だからこそ、合理とは程遠い「恋愛模様」が際立つのだ。ルールを破り、夜にベッドを抜け出して、それを見つけて大声で怒鳴るナース。全てがチグハグだからこそ、シュールでファニーな面白さがある。
前半では、敢えてやってるのかなと思うほど、そういう部分をかなりベタに見せてくれる。俺はこういうのが見たい。ベタでいい。
でもこの映画のいい所は、ベタなままでは終わらなかったことだ。
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