三島由紀夫原作。
内容は倒錯的な男女の物語です。
ひとりの女性がふたりの男性を加害者と被害者にしてしまう。
そしてがんじがらめにして2人とも自分に依存させる話です。
これらをナチュラルに、一切の悪気なくやってしまう悪女。
文子様の作品の中でも、群を抜いてエロティシズムな役柄だと感じました。
男性たちは愛憎や嫉妬により抜き差しならない状況に追い込まれます。
飼い殺しにされているのに、身体的にも精神的にもそれを打開できない。
逃れられない衝動によって理性を保ち切れず、苦悩と道徳的観念は脆くも崩れてしまいます。
破滅は三島の美学なんでしょうか。
死後をも3人でいることを望む女のエゴは、非常におぞましかったです。