ポール・トーマス・アンダーソンの地元で撮影された彼にとっての『イレイザーヘッド』であり、シンメトリックな映像を多用し、トラックバックやステディカムの多用などキューブリック演出のシェーマでラブコメを撮るという実験精神が見事に決まった作品。『ブギーナイツ』以降、映画ファンをノックアウトし続けてる彼だが、こういうこじんまりした作品を撮ってもその天才性はにじみ出ている。プリンを死ぬほど買い続けるとかテレホンセックスの相手にゆすられるとか、なんでこんな話なの？というくらい変だが、そこは実話をベースにし、ちゃんと権利も買い取ってるというから驚く。やはりアメリカというのは変な国なのだ。
