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先生を流産させる会のカーネルのレビュー・感想・評価

先生を流産させる会(2011年製作の映画)
2.8
監督は『ライチ光クラブ』『ミスミソウ』の内藤瑛亮。
愛知県で実際に起きた事件をベースにしています。「先生を流産させる会」は実在したのです。映画は女子生徒達の話ですが、実際は男子生徒達でした。
監督は実際の事件の詳しいディティールより「先生を流産させる会」という悍ましいネーミングから興味を持ったそうです。


私としては、正直、エンタメとして楽しめる映画ではありませんでした。
タイトルからして覚悟はしていたので、予想通りの不快感というか、どんより感でしたが〝観るんじゃなかった〟とはならず〝なぜそこまで?〟と考えて主犯格の生徒の背景をもっともっと掘り下げて欲しいと思ったくらい。妊娠をなぜキモいと思ったのか。一つの物体からまたもう一つの物体が排出される謎に対してのある種の恐怖?実は非常に子供っぽい〝イヤイヤ〟感だったのかもしれない………なんて思ったりもしました。
物語は一つの結末を迎えましたが、果たしてそれぞれの解釈次第で結末は変わっていくだろうと監督は仰っています。

特典映像に公開当時の舞台挨拶があり、
女子生徒を演じた5人が、実は撮影が楽しくて仕方なかったとキャピキャピしながらコメントしていて、ホッとしました〜。
特に主犯格を演じた小林香織は当時はまだ小6だったとかで、スゴイ経験積んだもんだなと感心しました。
サワコ先生を演じた宮田亜紀が「怖いタイトルですが撮影は和気あいあいととても楽しく行われていました。そうぞ楽しんでご覧ください」って言ってました。
が、楽しむって感じじゃないよねw
彼女演じた先生がどこまでもどこまでも教師であったのが、「先生である前に女」と言った彼女自身の言葉と反して不思議に感じました。

命が宿った身体はいくら教え子のためとは言え、あんな危険に晒してはいけないよ。大切にしなければいけないよ。
わかってたんじゃないの?
なのに………。
と、想像が広がる鑑賞後でした。
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