OASIS

荒野のストレンジャーのOASISのレビュー・感想・評価

荒野のストレンジャー(1972年製作の映画)
3.2
かつて保安官を嬲り殺しにした悪党三兄弟が釈放されようとしていた頃、町にやってきた名も無き凄腕のガンマンが用心棒として雇われ、彼らと戦う事になるという話。

主演であるクリント・イーストウッドの監督2作目。
「荒野の用心棒」的な話でありながらもオリジナリティを出そうとしてちょっと変わったテイストになってしまった西部劇。

冒頭、陽炎の中から一人の男が現れて町民の視線を浴びながら町を練り歩く。床屋に入り整髭しようとすると用心棒が現れて襲いかかるが、ここでいきなり3人を撃ち殺してしまう男。
そして結局髭を剃らないまま、また歩き出して今度は突っかかって来た女を馬小屋に引きずって犯し始める。
もう映画のはじまりから行動が破天荒すぎて、男の真意が全く伝わってこない状態なので訳が分かりませんでした。
パートナーとして常について回る小男も何故彼に気に入られたのかが分からないし、スネ夫的な役回りがちょっと鬱陶しい。

その後も何かと町人達にズレた指示を出し続けるも、用心棒として仕方なく居座る男。彼の回想が時折挟まれてやっと何となく正体が分かり始めて行きます。
思えば映画冒頭で墓標を避けながら馬を走らせていたし、町を塗料で真っ赤に染め上げさせて看板に「HELL」と書かせたり、地獄から来た使者としてのイメージがこれでもかと溢れ出てました。
最後まで男の正体や名前は自分の口からは明かされませんが、説明し過ぎない程度にチラリと見せる所は良かったと思います。
ただ、主人公が寡黙過ぎて行動が支離滅裂に見えてしまうのでもっと喋っても良かったと思いました。
それでも、百発百中な腕前、そして鞭を振り回すイーストウッドは本当に格好良かったです。
ただ三兄弟の方がキャラクター的に強烈だったので、そっちが強く印象に残ったが・・・。
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