八珠主火

精神の八珠主火のレビュー・感想・評価

精神(2008年製作の映画)
3.0
正直、観ていてどっぷり疲れた。それは自分が理解できないものを延々と見せられる苦痛と、そして深い深い精神世界の闇へどっぷり落ちていく感覚。

登場する人間はみな精神を病んだ人たちで、どこか少しおかしい。自分の感覚とは相容れない違和感。通常なら避けてしまうその違和感をずっとジャブのように打ち続けられることにより気持ちがどんどんドープに落ちていく。
この映画は救済ではない。かと言って傍観という訳でもなく、普段僕らが気づかないだけで、気づこうとしないだけで実はすぐそばで小さく息をしている存在を、少しだけ寄り添うような態度で切りとる。
だからこそ、自然と精神に「クル」
登場人物達と自分は全くの別世界ではなく、いろんな壁はあれど地続きであるという現実。
そして、だからこその違和感こそがこの映画の本質であると思う。
八珠主火

八珠主火