八珠主火さんの映画レビュー・感想・評価

八珠主火

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アフタースクール(2008年製作の映画)

3.5

序盤からばんばん伏線が張られていくので、最初は恐らくすべて追いきれずなかなか理解できないと思うが、2回観るとその回収っぷりに思わず膝を叩くはず。初見の印象とはまるで違う映画になる。脚本がとても良くでき>>続きを読む

SWEET SIXTEEN(2002年製作の映画)

3.8

どこがSweetなんだよ…そう思わずにはいられないほど重くて切ない映画。
15歳という子供でも大人でもない微妙な年齢。貧困。ドラッグ。暴力。そんな環境の中で、ヒリヒリするような痛みと純粋さを持つ2人の
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この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)

4.0

この映画は言葉がいらないんじゃないかと思う。
確かに変な映画である。長いし、台詞もどこかおかしい。東日本大震災と戦争というのを結びつけるのもどうかとは感じた。
だが、クライマックスのカオス感と何だかよ
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自虐の詩(2007年製作の映画)

2.0

原作の上澄み液をさらに薄めた感じ。
でもその中でも阿部寛は良かった。さすが。
若い頃の阿部寛がライダースという設定には苦笑。

丑三つの村(1983年製作の映画)

2.8

津山事件の映画化作品。
戦時中という時代性や、限界集落のような地域の排他的特殊性を鑑みても、犯人が犯行に至るまでの経緯や心情描写をもう少し掘り下げてもいいのかな、とは思ったけど。あれだけのひとのいい人
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THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)

3.3

題材が同じためよくエスと比較される映画だが、残念ながらまだエスは未見。
なのでどちらが、とかは言えないが、僕個人的にはとても面白く鑑賞した。
マインドコントロール、大衆扇動の世界。結構割とみんな簡単に
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.8

ジーナ・ローランズ演じる妻というのが今で言うメンヘラ?なのだがそのマジキチっぷり演技はやはり凄いとしかいいようがない。彼女のとても繊細な狂気を表現した顔芸(笑)はこの映画のキモ。
そんな彼女に振り回さ
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奇跡の海(1996年製作の映画)

4.4

ダンサーインザダーク、アンチクライストと、このラース・フォン・トリアーという奇才監督は純粋無垢であるが故の狂気、そしてそれが引き起こす悲劇の女性を描かせたらピカ一だと思うのだが、この映画もまさにそんな>>続きを読む

エウロパ(2013年製作の映画)

3.7

寝る前に毎晩布団の中で火星旅行のことを妄想してる身としては、これは見なきゃならない映画である(笑)
この映画はそういう僕の夢想を叶えてくれるという意味では個人的には100点である。
まあ、科学的な矛盾
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精神(2008年製作の映画)

3.0

正直、観ていてどっぷり疲れた。それは自分が理解できないものを延々と見せられる苦痛と、そして深い深い精神世界の闇へどっぷり落ちていく感覚。

登場する人間はみな精神を病んだ人たちで、どこか少しおかしい。
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

2.7

タイトルがタイトルなので、ある程度は、宗教的な側面も知っていればより深く楽しめるかもしれないが、僕的にはそういった知識がまるでないため、反キリストだと言われてもそれが本来どういうことなのか理解はできな>>続きを読む

ゲーム(1997年製作の映画)

2.8

一言で言えば「史上最大のドッキリ大作戦」
多分これを観た人は誰でも、どこまでがゲームでどこまでが真実?という混乱に陥ることでしょう。
最後の最後まで。
ジェットコースターのようにめまぐるしく展開するス
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エリジウム(2013年製作の映画)

2.2

まずSFとしてそれなりにお金もかかっているので映像的には良いと思う。ロボットやロケット、宇宙に浮かぶエリジウムなど見てて楽しい部分はある。
しかし、物語的にはさすがにどうかと。
個人的にはストーリーの
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そして父になる(2013年製作の映画)

4.2

そして父になる

僕も同じくらいの歳の子を持つ父親として観ていて何度身につまされたことか(笑)
子供ときちんと向き合うということは言うほど簡単なことではない。僕には福山雅治の気持ちがよくわかる。誰だっ
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アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)

4.0

多くの方が指摘しているように非常に地味な作品である。これといった派手なシーンがあるわけでもなく、ドンデン返し的なものがあるわけでもない。音楽もほとんどなく、淡々とさえしている。
しかし、この脱獄譚が実
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メアリー&マックス(2009年製作の映画)

3.6

クレイ・アニメーション(粘土で作った人形を一コマ一コマ撮影して作ったアニメ)。
初めはこの作風に馴染めず(ブラックユーモアがけっこう多い)、また、序盤は展開に乏しいので正直途中で寝そうに。
ただ、後半
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28日後...(2002年製作の映画)

3.2

いわゆるゾンビ映画だが、ゾンビをやっつけて、はいメデタシ、といったような健康的(笑)なゾンビ映画ではなく、ゾンビはあくまで絶望のシンボルであって、絶望的、極限の状況で人間はどうなってしまうか?に重きを>>続きを読む

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.0

アメリカでの白人と黒人の人種闘争を描いた衝撃作。
とても考えさせられる映画。
様々な人種が混在するアメリカにおける人種問題というのは単一民族の我々日本人には到底理解できないぐらい根深い問題なのだろう。
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キャビン(2011年製作の映画)

3.0

これはもう発想の勝利というか、グダグダ言わずに映像を観て単純に楽しむのがベターな映画であろう。
言ってみればホラー界のスーパーヒーロー大戦。あのヒーローがグチャグチャと入り乱れるカオス状態な近いなと感
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

観る前から「最後まで結末がわからない映画」という謳い文句を聞かされていたので、それなりに注意深く観てたら、普通に真犯人当たってしまってた(笑)
この映画もサスペンス王道の「1番あり得なさそうなのが真犯
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フィッシュストーリー(2009年製作の映画)

3.3

伊坂幸太郎の原作は読んでないが、これはある意味未読の方がたのしめるのではないかと感じた。
時系列もバラバラな幾つかのストーリーが最後に見事に繋がり、一つの壮大なストーリーが出来上がるという構成。
フィ
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オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)

4.0

トム・クルーズがリメイクした「ヴァニラスカイ」よりは僕は好きです。映画内に出てくるパソコンがゴツくてデカくて時代を感じさせますが(笑)

「ヴァニラスカイ」が金をかけた大衆娯楽作品としたら、こちらは低
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.4

人間というものは常に揺れ動く生き物である。同時に様々な感情を抱き、それをぶつけたり隠したり、それで伝わったり伝わらなかったり、時には大きな誤解を受けたりもする。
愛としがらみも根っこは同じもので、特に
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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

4.0

脱獄犯ながら、逃亡の途中で誘拐した少年と心の交流を交わしていく、というロードムービー。
号泣でした。。
とにかくケビン・コスナーが良すぎた。カッコよくて、優しくて、時にワル。あんなオヤジになりたい。
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エンド・オブ・ウォッチ(2012年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

実際に手持ちカメラで撮影してるという体でもあるが、ほぼ全編POV(一人称視点のカメラワーク)で撮影された演出がほど良い臨場感を醸し出している。
常に犯罪と戦う警察官、しかも治安が良くないLAという地区
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永遠のこどもたち(2007年製作の映画)

3.9

ジャンル的にはホラーなのだが、Jホラーのような貞子が出てきてギャー!!みたいなノリではなく、もっと西洋的な神秘的なファンタジーホラー。
洋館の美しい映像と不穏な音楽がより一層恐怖を醸し出す、直接的では
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ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

2.4

ゾンビが全速力で追いかけてきたり、ジャンプしたりとそれまでのゾンビの動きとは全然違う俊敏さはやはり怖い。
クライマックスシーンは壁に迫り来る幾億のゾンビタワー。というか、このシーンがこの映画のすべてで
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ニューオーリンズ・トライアル(2003年製作の映画)

3.7

法廷物。
法廷物は好きなのだが、いかんせん地味だったり、難しいセリフが多かったりで、眠くなりがちだが結果として全然眠くならなかった。むしろ後半にかけてどんどん映画の世界に引き込まれていった。

主役は
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

2.0

まるで一枚一枚の写真を見るかのような撮り方(基本的に1シーン1シーン固定カメラで撮ってる)。露光過多気味の白飛びしたようなモノクロ映像。
そしてテーマソングと言うべきか、全編を通して流れるスクリーミン
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

3.3

綺麗に騙された。
テンポも演出も良かった。まあ、でもあれは反則だと思うけどねえ(笑)
ニコラス・ケイジは昔からあまり好きじゃなかったんだが、この作品の彼はかなり良いと思う。
自らを詐欺アーティストなん
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.0

とても不思議な魅力を湛えた映画だ。僕的な言葉で言うなら、「官能的」だろうか。
そのストーリー云々よりも、その映像美と美的感覚。映画と言うよりも、小洒落た古い絵画を観るような。
バグダッドの空の深い青や
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