八珠主火

アンチクライストの八珠主火のレビュー・感想・評価

アンチクライスト(2009年製作の映画)
2.7
タイトルがタイトルなので、ある程度は、宗教的な側面も知っていればより深く楽しめるかもしれないが、僕的にはそういった知識がまるでないため、反キリストだと言われてもそれが本来どういうことなのか理解はできない。なのでこの映画は一言で言えば難解、これに尽きる。
テーマも男と女だけに留まらず、妻と夫、セラピストと患者、果ては魔女、虐待、悪魔主義、自然主義、シャーマニズムのように無差別にありすぎて、絞りきれない印象。
だが、冒頭とラストのモノクロでスローな映像はとても詩的で美しいし、森での映像も大自然の荘厳な雰囲気がよく出ている。また逆に、足に重たい砥石を埋め込まれるシーン、自らの女性器を切取るシーンなどの直接的な残虐描写も半端ない(ボカシ要らないなぁ)。あとはシャルロット・ゲーンズブールのエロさ。どれも記憶に鮮烈に残るものだ。
ただのメンヘラ女の話じゃないの、と言ってしまえばそれまでだが、そうとは言い切れないパワーがこの映画にはあると思う。ただ、お気楽な気持ちでは観れないのでその辺は覚悟も必要。
八珠主火

八珠主火