八珠主火

奇跡の海の八珠主火のレビュー・感想・評価

奇跡の海(1996年製作の映画)
4.4
ダンサーインザダーク、アンチクライストと、このラース・フォン・トリアーという奇才監督は純粋無垢であるが故の狂気、そしてそれが引き起こす悲劇の女性を描かせたらピカ一だと思うのだが、この映画もまさにそんな映画で、もう可哀想なくらい凄惨で観ていて辛いし、辛い。愛する夫の命を救う(と思い込んでる)妻が行きずりの浮浪者みたいな男にヤられるシーンはあまりに哀しい。
描かれるテーマは哲学的で重苦しいが、美しい映像と音楽で、その一歩先へと着地させてしまう手腕は見事。主演のエミリー・ワトソンの(まさに)神がかった演技も良かった。
八珠主火

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