便器の海。
沈む絨毯。
天井の赤子。
薬物依存の恐ろしさを私達がまず最初に知るのは義務教育課程の保健の授業だろう。しかしそんなところで説教まみれに言われたところで少年少女には響かないわけだ。
そんな時にこちらの商品!とオススメするには憚られるイヤ〜〜〜な映画。特定のコレがイヤとかではなく、作品全体を通じて嫌悪感を撒き散らしている。
違法薬物といわずタバコをいくらかやっている人間なら分かろうが、レントンが作中やっているなんとなく逃げ切れない感覚。あの執拗にナメクジに粘着されているような雰囲気は分かる人には嫌で嫌で仕方がない。
禁断症状の幻覚の生理的嫌悪感もニコチンが切れた時の不快感に近いものがあり、トリップムービーとはまた違う意味でのドラッグ映画としていい教訓になろう。
しかし嫌悪感ばかりで本作が嫌になるかといえばそんなことはなく、あの向こう見ずな疾走感と映像的なおもしろさに惹きつけられてしまうのだから恐ろしい。