ケビン・スペイシーが苦手で、ジャケのビジュアルにも惹かれず、周りから勧められるものの見過ごしていた作品。
99年のアメリカで先見性に溢れており驚く。
俺のことかよ、と観ていられない登場人物の行動の数々にも、観るのに遅きに逸した感が強く、思わず舌打ち。
お隣の大佐とリッキー親子が物語に品格を加えており、脚本の素晴らしさは言うまでもない。
ケビン・スペイシーはやはり苦手だけど、だからこそ今作の”終わってる”おっさんの再生と混沌の物語は後半に輝きが増していた。
木枯らしにあおられて、フワリフワリと中空を舞う白い袋。
人生の様々な事象に翻弄され、目的地を見失ったかのよう。
自分の意思であっちへこっちへ自由自在に懸命に生きてるようにも。
家庭が抱える様々な問題をコンパクトにトリッキーに二時間のドラマに仕立てていた。