矢吹健を称える会

鼠小僧次郎吉の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

鼠小僧次郎吉(1965年製作の映画)
3.7
 林与一が一人二役。「二役演じてるけど顔が似ているという設定ではない」というこの時期の時代劇におなじみのアレなのだが、二人が同一画面でかけあいを演じる合成ショットには驚かされる。が、これは小手先の部分であって、こんな滅茶苦茶な物語をシーンごと・瞬間ごとの面白さで見せてしまう豪腕はすさまじい。人んちでお茶漬けを妙に冷静にかっこむ鼠小僧とか、面白くて忘れられない。
 『続・丹下左膳』を想起させる夥しい御用提灯に、ああもうダメなんだなと思っていると藤村志保の力強いアップ。素晴らしい。