竜平

8mmの竜平のレビュー・感想・評価

8mm(1999年製作の映画)
3.5
ニコラス・ケイジ主演。とある私立探偵の男が引き受けることになる依頼、そこで出会すことになる8㎜フィルムを巡る事件と巨大な「闇」を描く。ミステリー及びスリラー映画。

監督が『フォーン・ブース』などサスペンスやスリラー系を得意とする印象のあるジョエル・シューマカー。そして全盛期のニコラス・ケイジ。この組み合わせいいねーなんて。脇役のピーター・ストーメアやジェームズ・ガンドルフィーニあたりは安定の曲者ぶり、そんでじつは出てるホアキン・フェニックスにノーマン・リーダス。とある大富豪からの依頼をキッカケにして、主人公が未知の世界へと足を踏み入れていくことに、という展開。徐々に解明されていく真相、この流れでスイスイ見れるは見れる。一応言えるのは、今作はどんでん返しの類ではなくシンプルに過程を楽しむべき映画であるということ。で描かれるのはかなりディープで、常人には理解し難いような世界。例えば単なる「SM」みたいなのを超越しちゃってるような、ヤバい行為やそれを欲する人たちの世界というもの。これって実際にもあるのかな、こういう性癖を持つ人っているもんなのかな、いるんだろうねやっぱり。てなわけで内容的にも描写的にもなかなかエグい場面が多々。スイスイ見れるとは言ったものの、好みが分かれること必至。そんな中で、主人公の自らのめり込んでいくような様が印象的。初めは家族を養うため仕事として、けれどもそこに使命感や正義感、更には倫理観も関わってくるという、そしてこれもニコラス・ケイジがしっかり感情豊かに好演してる。前半なんかはサスペンスやミステリーの様相だけども、後半へ進むにつれて一人の男のヒューマンドラマに移り変わっていくのも今作の特徴と言えるかも。

いやしかし、言ってしまうとこれはなかなかの胸糞映画。なんか見終わった後に疲れる感じの、どんよりしてしまうのが好みの人にはいいかも。軽率に手を出すとちょっぴり痛い目見ちゃうかもねー。おしまい。
竜平

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