みかんぼうや

初恋のきた道のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

初恋のきた道(1999年製作の映画)
4.0
今から約20年前に観て以来、2回目の鑑賞。当時、この作品と「山の郵便配達」を立て続けに観て、中国の田舎の自然の美しさと、何事にも一途に取り組む農村の人々の姿に感動して、中国の田舎への憧れというか好感を持つとともに、それまで観てこなかった中国映画への関心が一気に高まったのをよく覚えています。その後、同じく中国映画の「鬼が来た!」を鑑賞し、映画人生の中でも生涯指折りの衝撃を受けることになるわけですが・・・

今観ると、正直、「あれ、こんなもんだっけ?」という意外と浅い描き方も多かったり、全編を通じてチャン・ツィーのイメージビデオと見まごう内容だったりもしたのですが、あれから数百本映画を観てきた中でも、これほどに健気な“純愛”映画は、なかなかお目にかかれていません。そのど直球の純粋さに、ストレートに心揺さぶられました。

あと、本作を観て気づいたのですが、私、「きみに読む物語」もそぅですが、老夫婦が積年の愛情を振り返る系のフォーマットにめっぽう弱いようです。「ビフォア・サンライズ」のようなほんの一時の恋的な内容はかなり苦手なのに。

20年以上前に本作を観た時とは、中国の世界における存在感や、日本に対する影響は桁違いに大きくなりました。北京や上海をはじめとした都市圏の経済状況等は、日々経済ニュース等で流れる内容からも把握できますが、本作や「山の郵便配達」の舞台のような農村地の今の中国は状況などうなのでしょう?

中国内では当時よりもさらに都市部と郊外の経済格差は広がっているといいますし、最近の中国映画で、こういった農村部が舞台の作品をあまり観ていないので、もう少し観てみたくなりました。今でも、1人の先生が村に来るだけで、村中の人たちが集まってくるようなコミュニティだったら素敵だけど、現実はそんなに綺麗なものではないのかな・・・
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