みりお

初恋のきた道のみりおのレビュー・感想・評価

初恋のきた道(1999年製作の映画)
3.0
淡々と進むけれど、評判通りの良作✨

1950年代、学校どころか水道すらひかれていない中国の田舎村に、ある日学校の先生が赴任してくる。
その先生に一目惚れした村娘の一途で健気な恋物語💓

チャン・ツィイー演じる村娘は素朴で可愛くて、まだ自由恋愛なんてありえない時代に、どうやって男性にアピールするかも分からなくて、先生が食べるかどうかもわからない、村の男たち全員の昼食のために、一生懸命朝から準備して、自分の家で一番良い食器を用意する様は健気すぎて…😭💦

先生の仕事の帰り道で待ち伏せしたり、先生の声を聴くために学校を覗きに行ったり、一見ストーカーのようにも取られかねない行動なんですが、スマホも携帯もない時代、字を書くことすらできない彼女が、抑えられない想いをどう表現していいかわからずに思わず取る行動は、どれもピュアで美しかったです✨

想いを寄せる人と簡単に言葉も交わせず、文化大革命という波も押し寄せ、一度離れればその消息が微塵もわからない時代だからこそ、それでも想い続ける様子には胸を打たれます👍
時代の大きな波の中にありつつも、本作が描くのは街へと通じるたった一本の「道」のみ。
「先生はその道を通って村へやってきて、その道を通って村を出ていったのだから、必ずこの道を通って帰ってくる」と信じる少女。
少女にとってはその道こそが世界の全てであり、革命の中にありつつも、無知だからこそ却って純粋に、たった一人の人を想い続けられる様子には、とてもあったかい気持ちになりました☺️💓

そして本作の良い所は、その想いが実を結んだ後の様子から作品が始まるところかな♫
彼等の息子の視点で、親の純愛が等身大に描かれるので、温かな気持ちでその恋を見守ることができました🥰💛

四季折々の美しい自然の中に、メイクもほぼしてない可愛らしいチャン・ツィイーが映えていて、その可憐さが止まらない映像も◎でした🌸🌿


【ストーリー】

都会からやってきた若い教師ルオ・チャンユー(チョン・ハオ)に恋した18歳の少女チャオディ(チャン・ツィイー)。
文盲のチャオディは、手作りの料理にその想いを込めて彼の弁当を作り、やがてその気持ちに彼も気づき、いつしか二人の心は通じ合う。
しかし、時代の波「文革」が押し寄せ二人は離れ離れに。少女は町へと続く一本道で愛する人を待ち続けるが……。


【キャスト・スタッフ】

*監督:チャン・イーモウ

『HERO』でみりぺでぃあ記載済🌟
さすがイーモウ監督で、この頃から色彩の美しさの表現力はピカイチ🎉
チャン・ツィイーの可憐さを押しすぎない、むしろ際立たせるような四季折々の色合いの描写が素晴らしかったです✨


*チャオディ:チャン・ツィイー

同じく『HERO』でみりぺでぃあ記載済🌟
彼女にもこんなに素朴な時期があったんですね…🥰
メイクなんてしなくても十分綺麗だし、あそこまでダサい格好をしてもヒロイン感が消えないのは、チャン・ツィイーだからこそだと思います🎉
みりお

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