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タクシードライバーのpのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

今日初めて鑑賞。

良い意味で、映画における初見殺しだと思いました。
が、正直ラストギリギリまでは盛り上がりに欠けるというか
めちゃくちゃ楽しめたという印象は正直少ないです。

元海兵の男がタクシー運転手をしながら、不満足な日々を送っている。
そんな中、政治事務所(?)に務める女性に一目惚れし、アプローチ。
その後、たまたま政治事務所の賛同元である立候補者をタクシーに乗せ会話する機会もありました。
その後意中の女性をデートに誘うも、
デートプランも会話の内容も一方的で呆れられ終了。

納得の行かない男は仲間の1人に
「完全に落ち込んだ。ここから飛び出して何かやりたい。」と不満を話します。
「お前は若いから、女を作って好きなことしろ」「考えすぎるな」と返されその場では救われます。

その後、以前に乗車させなかったとある少女と再会。
加えて未成年の売春婦である事が発覚。
彼女に現在の生活をやめるよう説得しますが、失敗に終わります。
やがて売人から入手した幾つかの銃を持ち、大統領となったかつての立候補者を意中であった女性達の前で射殺しようと試みますが、SPにバレて逃亡。
家に逃げ夜になり、売春婦の少女の元へ赴き、仲介人に発砲。
続いてホテルの管理人の指先もマグナムで吹き飛ばしますが、かろうじて生きていた仲介人に首を撃たれ、男は仲介人にトドメを刺します。
少女を買収していた名も無き男と、
ホテルの管理人も殺害し、血を流しながら自害しようとするも弾は無く警察が到着。

その後少し時が経ち、
男はギャングを銃で掃討し少女を救ったヒーローとして新聞で大きく報道され、一躍時の人となっていました。
最後に以前にアプローチした女を乗客として乗せ、何かを待っている様な表情の女の心情を(一方的に)悟り、代金は受け取らず走り去って終了。

初見殺しの要素はなんと言ってもラストの展開でしょう。
嫌いにも好きにもなれない様な絶妙なキャラクター性を持つ主人公でしたが、
何も知らずに見た私は、
"あー、この人救われないんだろうなぁ"と思っていました。
きっと多くの人もそうなのではないでしょうか。
話の着地点としては決して有り得ない訳ではないのですが、
"もうこの主人公はダメだろうな"と思うのは、
ある種の"諦め"なのでしょうか。

主人公は、常に何者かになりたがっている人物だと感じました。
なので、途中仲間に
"お前は若い"と言われるシーンには説得力があります。
"何者かになりたいが人として幼い"が故に軸がブレブレです。
(「飛び出して何かやりたいと思っている」というセリフ。大統領の暗殺に失敗し、その後再襲撃の機会を伺うこと無く少女の元へ向かう点。等)
そこが主人公を好きにも嫌いにもなれないポイントなのでしょう。

もう1つ主人公に関して、言える事があるとすれば
それは、やってる事はかなりクレイジーなのですが、
自分の直感を最後まで信じ続け、
それを途中で諦める事を一切していないということです。
一切諦めなかったからこそ
若干人間味が無いように映っていたのだと感じました。

ですが、諦めなかったからこそ
何者かになれた訳であり、
何者かと聞かれればそれは
タクシー・ドライバーです。
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