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Death Note/デスノートのpのネタバレレビュー・内容・結末

Death Note/デスノート(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

数日前に鑑賞。

個人的にこの作品は面白いとは思えませんでした。
このレビューを作っている時に初めて、
このアプリではスコアは1.0以下の小数点で付けられない事がわかったのですが、
個人的にはその情報の方が収穫としてはデカいです。

本来の設定と違う点が多々あります。
それ自体は全く方向性として問題ないと思いますし、
原作漫画とそれを忠実に再現した実写邦画とは違う世界線にするべく意図されたのでしょうが、
原作通りに採用する設定と切り崩す設定のチョイスをずっと間違えていると感じます。

まずは主人公のキャラクター性ですが、
原作と違い、まるで偏差値の低い高校生の様で衝動的な行動ばかり取るために、原作とはかなりギャップがあります。
その主人公像にする事自体は悪手だとは思いません。
が、途中でLが主人公の父親(刑事)に
息子がキラ容疑者だと説明する際、
「非常に賢い」というセリフがある等
設定とセリフに違和感がある場面が非常に多いと感じました。

加えて最後まで主人公に感情移入出来ませんでした。
要は主人公を好きになれないと言う事です。多くの人も同じではないでしょうか。
どの世界線の夜神月もヤバい奴に変わりありませんが、
原作の月が計画通りに事を進めた際に
胸を熱くする盛り上がりを
受け手が感じる背景としてあるのは、
受け手が"本気で月はヤバい奴だ!"と
思った瞬間にアツくなるのだと思います。
緻密な思考の末の実験的行動による成功だからではなく、
イケメンだからと言う事でもないです。
(この映画の主人公役の俳優さんが、あんまりカッコ良くないとは誰も言ってないです)
その点、この作品においては
ヒロインの方がヤバい行動に出ることが多く、
それもあり主人公のヤバさが薄れている為、
"とある劣等感に塗れた性格の悪い高校生が大量殺人兵器を手にした件"
になってしまっていると感じた為、
見ていて好きになれませんでした。
(ここでいうヤバさとは、キャラクターがひとつの殺害にかける執念であり、本気度の事です)

主人公とヒロイン、そしてライバルとなるLの3人が主軸となりますが、
この3人の演技面、演出面でも違和感が残ります。
1番酷いと感じたのは何と言ってもLの初登場シーンです。
最初に目線だけのカットがありますが、
右左を順番に向くことに意識集中している感が満載の為、
原作独特の抜け感も全くないです。
アダルトコーナーの暖簾をくぐった後の青少年かと思いました。

そしてそのL
初登場の舞台は東京なのですが、この東京が余りにも酷いです。
東京タワーの映る夜景の映像から、
キャバクラ店の内部で起きた事件現場をLが闊歩し、外へ出るのですが、
外のネオン街はチープ感が凄まじく
ここだけフリー素材だけで作ったのかなと思う程の低演出でした。
このシーンの部分に関しては、
逆に見に行ってみてほしいです。

この映画の設定をある程度保った上で描くのであれば、ヒロインは出すべきでは無いでしょう。
何故なら主人公の心の拠り所としても、
犯罪幇助としても、悪い意味で都合のいい存在になってしまっているからです。

寧ろ劣等感を抱える母親を無くした主人公が人知れず犯罪者を捌いて行く事に、生まれて初めて生きている実感と喜びを感じる、未成年による凶悪な連続殺人事件を通底している方がより事件性もあったと思います。

面白いと言える所を捻り出すとすれば、
死神はずっと観客と同じ視点に近い発言をしていると言う事
(主人公に対し嫌悪感を抱いている旨のセリフ等)と、
最後にLによって主人公が召されるのか、Lが留まるのかどうかが受け手によるという着地点が個人的なポイントでした。
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