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タクシードライバーのGINのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.0
主演ロバート・デ・ニーロ ✕ 監督マーティン・スコセッシによるニューヨークを舞台にタクシー運転手の孤独、狂気、混乱を描いた衝撃作。

1976年制作。
ベトナム戦争から帰還した不眠症を患う青年トラビスは、ニューヨークの街で夜も働けるタクシー運転手として、孤独で鬱屈とした生活を送っていた。
トラビスは大統領候補の選挙事務所に勤める女性ベッツィーと親しくなるが、その恋も上手くいかない。
やがて、トラビスは銃を手に入れ、身体を鍛えて、街にくり出すようになる―。

デ・ニーロの演技とスコセッシの演出が素晴らしい!
音楽も効果的に使われている。

戦争で心に深い傷を負ったトラビスの日常を通して…
ベトナム帰還兵達が抱く居場所のない孤独感。
社会に適応しようとするものの、上手くいかない社会への苛立ち。
今の生活から抜け出せない閉塞感。
世の中の不条理さ。
ひとりの女への叶わぬ想い。
…などが描かれ、14歳の売春婦との出逢いをきっかけに、トラビスの心の中で色んなものが積もり積もってフラストレーションとなり、トラビスを過激な行動へと駆り立てていく。

社会に制裁を加えようと行動に出るモヒカン頭のロバート・デ・ニーロを観ていると、今でも銃を手にして、強者になったつもりで、こういうテロ行為をする輩がいるけど、こんな感じなのかなって思って鳥肌がたった。

クライマックスはどうなるか分からない緊迫感の連続。
過激な行動の結末は意外性のある着地点で、「あれ、上手く行き過ぎじゃない?」って思ったけど、題材といいアメリカならではの作品だった。

P.S.
14歳の売春婦を演じたジョディ・フォスターの当時13歳とは思えない堂々とした演技が素晴らしかった。
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