ふう

ロシュフォールの恋人たちのふうのレビュー・感想・評価

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)
4.8
爆音上映で久しぶりに見てきました。
不朽の名作、『ロシュフォールの恋人たち』
『シェルブールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督×ミシェル・ルグラン作曲コンビの最高に楽しい豪華絢爛オールスターミュージカルです。


カトリーヌ・ドヌーヴ
フランソワーズ・ドルレアック(ドヌーヴの姉)
ジョージ・チャキリス(ウエストサイドストーリー)
ジーン・ケリー(雨に唄えば)
ジャック・ペラン(ニューシネマパラダイスの大人になったトト)
他にも、私が知らないだけで名俳優が目白押しのオールスターミュージカル感謝祭なのです!

そのせいで、前半は皆様の自己紹介ソングで若干だれている感じもあるのですが…
まあ、レヴュー的な楽しみもあるからいいのです!

まず何が良いって言うと、色。 とっても色鮮やか。
白・クリーム色の町並みに、原色の衣装をまとった群衆にがくるくると踊ってる様子を見るだけでもすごく気持ちが良くなりす。そして、その中にいるジョージ・チャキリス。かっこいい。
一人ちょっとテンポがずれてるんですよね、少し。 歌手の人があえて少しテンポを外して歌うように、ダンスにほんのわずかタメが入るんです。群舞でそれをやっちゃうのがもう、彼だから許されるし、そうしても「一人ずれてる」とならないのは指先まで意識されたあの振りと、ポーンと上がる足の美しさがあって、彼がスターだって一目でわかるから。(あまりミュージカルを見ない主人も「彼が飛び抜けて上手い」と言ってたから、間違いない!)
この彼らの長回しのナンバーを見ているだけでもう幸せなのに、まだ開始5分程度なんて!

そしてドヌーヴ姉妹。
とにかく可愛い。可愛いの暴力。
本作のジャケットになっている大きな帽子にお揃いのワンピース着て歌う「双子座の双子の歌」なんて本当にチャーミング♥️
正直歌が抜群ってわけでもなくダンスはううん?なんだけど、とにかく魅力的ならそれでいいの体現。これがミュージカルで成り立つのだから本当にすごい。

で、色々あっての。
✨✨ ジ ー ン ・ ケ リ ー ✨✨
あなたがいつも子どもに好かれるキャラクターでいようとするのはなんなの? とか
MGMだったら絶対フランソワーズとダンスなんてしなかったでしょう (パートナーのダンス、特にバレエにめちゃ厳しいで有名) とか
なんだその色の衣装は とか
設定盛り盛りの上にダンスナンバーが長くて中弛みの要因はあなたでは? とか

そんなことはいいのです。
彼がミシェル・ルグランの曲で歌っている。ダイナミックに、でも重力がない彼の世界で踊っている。あの垂れた目で笑っている。
それだけでもう私は大満足です。
ありがとうジーン・ケリー。一生大好きです。


そして、なんやかんやあって、フィナーレ‼️
ラスト15分くらい?ですれ違っていた人たちがドミノ倒しみたいに噛み合って、ついでにカフェの常連さんの秘密まで暴かれて、ちゃんちゃんっ♪
ていう力業大団円すごく好きです。
ミュージカルってストーリーの尺が色々とおかしくてもすごく幸せな気持ちにさせてくれるから本当に好き。大好き!!

私はミュージカルが大好きだ!!!!
って大声で言いたくなるすばらしい映画です♥️

(↑すべてこの一言で終わっちゃうせいで、レビューを書くのに一週間かかりました。でもやっぱりこの多幸感を言葉にできなくて悔しい😣のでミュージカルを愛する全人類に見てほしい)




あっ、ちなみに。
本作や『シェルブールの雨傘』の作曲を手掛けたミシェル・ルグランのミュージカルで
『壁抜け男』
というものがあります。日本では劇団四季が上演してます。
これが最高に素晴らしくて、
大好きで大好きで、
中学の文化祭で同好会を立ち上げて上演したり
新婚旅行でフランスに行って壁抜け男の銅像と握手したりしました♥️
私の人生を狂わせた作品なので、
なかなか上演しないけれどぜひ見てほしい作品です。
ぜひぜひ!(しつこい)
ふう

ふう