きゅうりのきゅーたろう

河内山宗俊のきゅうりのきゅーたろうのレビュー・感想・評価

河内山宗俊(1936年製作の映画)
3.5
甘酒売りの少女・お浪の弟である広太郎は姉の心配をよそに無頼に憧れ日々賭博に明け暮れていた。ある日、広太郎は侍から小柄を盗み質に流し宗俊の情婦であるお静の賭場を訪れる。お浪は心配し探しに来るが広太郎は偽名を使っておりすれ違ってしまう。やがて、広太郎が抱えることとなる借金の肩代わりのためにお浪が身売りすることとなり、聞きつけた宗俊と市之丞はお浪を救うため策を練る…というお話。


夭折の映画監督、山中貞雄の1936年の作品。監督の現存する作品3本の中の1本とのこと。
これを27歳の時に撮ったとのことなので驚きを隠せない。

義賊もの、人情ものとして思わず同情してしまうプロットもさることながら、最終盤の大立ち回りのシーンの迫力が凄まじく、また、そこで終わるのか!といった幕切れも余韻を感じさせ想像が膨らむ。

まあこの作品に限った話ではないのですが、やはり古い作品なので音声が非常に聞き取り辛く、セリフがよく分からないのはもったいないなと思いました。