みかんぼうや

チャイナタウンのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

チャイナタウン(1974年製作の映画)
2.9
【凄さは感じるが、ただただ相性が悪かったハードボイルドサスペンス】

忖度なしの(誰に忖度してるんだ!?という話ですが)辛口点数ですが、この作品は楽しめなかった~。いや、正確には「合わなかった」というほうが正しいのかもしれません。映画としては設定、脚本の作り込みの凄さも感じるし、映画全体に漂うどんよりとした怪しい雰囲気も魅力的ですが、まず事件周りの設定(ダムの利権など)が難解で内容をしっかり把握できず、かつ登場する人物の中に惹かれるキャラクターが一人もおらず・・・となると集中力も落ちてきて、その後のストーリー展開を集中して追えなくなり余計に事件の状況が複雑化して見え、どんどん作品から突き放されて置いてけぼりになる感覚・・・結果として、2日に分けて鑑賞することに、という負のスパイラルが発生。

途中で見るのを止めようかな、と思いつつ、数々の賞を受賞し、これだけの評価の作品だから最後まで見よう、と気合を入れて視聴しきりました。さすがにラストシーンは衝撃的でした。が、本来であればああいう結末は個人的に大好きなはずなのに、それまでの作品への没入感が低く登場人物との距離感も開いていたためか、後味の悪さが目立ってしまい、やはり作品との相性の悪さを感じました。

本作を見て改めて感じたのは、ヒッチコックサスペンスの時にも感じた、「自分は犯人捜しをしたり、謎解きを楽しむようなサスペンス以外はまだまだ楽しめていないのだな」という感覚。これはまだまだ場数が足らず本作の楽しみ方を理解していないのか、はたまた単純な嗜好の問題なのか・・・正解なんてないのですが、こういう世間的には大変評価の高い名作と呼ばれる作品なのに全く楽しめなかった作品を見るたびに、かえって色々と気づきが多いです。また、5年後、10年後に再視聴した時、映画の見方が変わっていると、自分の中での評価がかなり変わりそうな作品だな、と思いました。
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