このレビューはネタバレを含みます
ただの不倫調査の依頼のはずがとんでもない事件に深入りしていく探偵の話。
ただでさえ入り組んだ事件の描き方が巧いのだけど、真犯人の逮捕でハッピーエンドというわけではなく、ヒロインが無惨な姿で死ぬというラストにすることで、陰謀による揺るがない悲劇的結末にし、衝撃を持って余韻を残した素晴らしいシナリオと演出だった。
この探偵が銃を持たないのも良い。
惚れた女は信用できるかどうかの駆け引きも面白かった。
ジョン・ヒューストンのポテンシャルの高さも凄い。
"妹であり娘でもある"という設定は、状況は違えどジャック・ニコルソン自身の母も"姉であり母であった"ことが発覚しているから、今となっては皮肉だ。