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ブロードウェイ・メロディーのTSのレビュー・感想・評価

1.2
【世界初トーキーのミュージカル映画】13点
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監督:ハリー・ボーモント
製作国:アメリカ
ジャンル:ミュージカル
収録時間:100分
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第2回(1930)アカデミー賞作品賞受賞。
明日公開の『ラ・ラ・ランド』に備えて何かミュージカル映画を見ておこうと思い見たのが今作。なんと、世界初のトーキーによるミュージカル映画です。同時にトーキー映画初のアカデミー賞作品です。これ以降数多のミュージカル映画が製作されていったため、今作が後世のミュージカル映画に与えた影響は計り知れないと思います。つまり、資料的価値が高い作品ということになります。

しかしながら、お世辞にも褒められるのはその点だけであり、他の方も仰ってるように中身は驚くほどにつまらない。まさに外見良しで中身がない。美味しそうなショートケーキを食べてみたら味がほとんどないと言ったような感じです。完全なる地雷映画。正直なところ、何故アカデミー賞を受賞したのかよくわからない。いや、当時の人からすると今作は衝撃的だったのでしょう。まさに現代と当時の人からするとかなり温度差がある作品と言えます。

よくなかった理由は主に3点あり、カメラワークが最低、踊りと歌が微妙、ストーリーもありきたり、という点が挙げれそうです。まずカメラワークですが、これは仕方ないです。当時、トーキー映画を撮影するには馬鹿でかい箱にカメラを入れる必要があったため、ほぼ固定しなければいけません。しかし、それ故に非常に質素なカメラワークになってます。舞台で踊るところなんて、演者がカメラから切れたりしてますからね。
そして、最も魅力を感じられなかったのがこの歌と踊りでしょう。正直苦笑いしてしまうレベルでした。足をみんなで上げるところなんて割とバラバラ(笑)プロのダンサーがハリウッドに進出してくるのはこれ以降ということなのでこれも仕方ないのですが、やはり魅力に欠けました。歌も上手くない。ミュージカル映画において、歌と踊りが微妙というのは致命的です。
で、話も微妙。姉妹の内、妹の方に恋をしてしまったエディ。姉のハンクは辛くも妹とエディを結びつかせようとします。そして、ミュージカル映画なのにこれが物語の大半を占めているので非常に退屈でした。

そういうことで、この100分間は割と苦行でした。目が肥えてしまっているというのもあるため、そのあたりは考慮しないといけないと思いますがそれでも微妙すぎる。フィルマの平均スコアは驚きの2.7。アカデミー賞作品賞においてはあり得ない平均スコア。この数値が全てを物語っていますね。。
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