おなべ

イヴの時間 劇場版のおなべのレビュー・感想・評価

イヴの時間 劇場版(2009年製作の映画)
3.5
未来、たぶん日本。
ロボットが実用化されて久しく、
人間型ロボットが実用化されて間もない時代。

元々全6話で構成されていた短編アニメを劇場版にしたもので、スタジオ六花代表の《吉浦康祐》が監督として制作。人間型ロボットと人間が共生する社会で、とある高校生に焦点を当てロボットの扱いや権利、人との境界線といった倫理問題を交えながら、微妙な人間ドラマを描いている。

ロボット倫理委員会の影響で、人々はロボットを一家電として認識していた。必要以上にアンドロイドに入り込む人々は“ドリ系”と呼ばれ、社会的にも精神的にも問題視された。

内容こそ至ってシンプルで分かりやすいが、今までのアニメーションとは少し変わっている印象を受けた。とりわけ3DCGの技術的な側面が秀でており、奥行きやカメラワークといった視覚的効果だけで映像を楽しむ事が出来た。また、倫理的観念からも少し考えさせられる部分があり、本作ではいずれ人類が直面する事になるであろう往年のアンドロイドの人権問題にメスを入れている。

エンドロールに注目。
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