ひでG

過去のない男のひでGのレビュー・感想・評価

過去のない男(2002年製作の映画)
4.1
昨年、アマプラでたくさん観たアキ・カウルスマキ監督作品。正直、何を観たのか整理つかなくなっちゃった😅

アキ・カウリスマキ監督のキャリアの中でも本作は大切な1本。カンヌでグランプリを獲得し、世界的にも決定的に認められた作品だ。

カウリスマキ映画の独特な手法は冴えに冴えているという感じ。
お話としてもほぼ完璧なんじゃないかな。寸分の隙もない。

無用な演出やセリフや効果音を排しているので、気が付きにくいのですが、かなり
ドラマチックなお話ですよね。

暴漢に遭い、記憶喪失、
名前も忘れた男が見知らぬ街でどう生活していくのか、
銀行強盗に間違えられて、冤罪、
記憶は戻るのか?自分は誰なのか?

この映画を観ていると、人生に起きることなんて、右往左往するほど、大したことじゃないんじゃないかとも思えてくる。

究極の楽天映画とも感じるが、
よく考えると、お金も記憶も、名前さえも失った主人公が、全く見知らぬ街で、全く知らない人たちと、少しずつ関わりながら、自分の居場所を作っていく、究極のコミニュティ映画だとも言える。

無表情で、殆ど喋らないけど、困っている
主人公をサポートしてくれる街の人々。
名もなき人々の優しさが温かい。

少ないセリフの中に、ほっこりするユーモアとヒューマン!
「このお礼はどうしたらいい?」
「俺が死んだ時に祈ってくれ。」

オーバーなBGMがない代わりに、演奏や
レコードから流れる音楽が、淡々とした
お話に、リズムやアクセントを付けていて、やっぱりグッドだ!

やっぱりアキ・カウルスマキ映画は良いなあ〜!

サイコパス🐕かわいいね。
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