シガーandシュガー

若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷のシガーandシュガーのレビュー・感想・評価

若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷(1958年製作の映画)
-
若さま~!!
大川橋蔵の若様は天下一品、気品はやや不足しているものの、橋蔵のルックスの、ちょっといなせな色っぽさがお坊ちゃん設定に艶めかしさを与えていてたまらなく素敵。

で、毎度毎度、江戸の町中での事件だと退屈するからか、今回は海辺の町に舞台を移し、紅鶴屋敷と呼ばれるお屋敷に怪談めいた設定をもたせたお話。
紅鶴の伝説やお屋敷の感じなどはまあ悪くはないのだけど、お屋敷に起こる怪があっさりしすぎているのと、話のタネはちょっと凝ってるわりには展開が早いので安っぽく見えてしまうところが残念。
その展開の早さゆえか、若様の素敵さも物足りなく、もうちょっと見せてほしかったなあ。かわいそうなヒロインを慰めるところなんかやっぱり素敵で「このお坊ちゃまめ!」とも思ってしまうんだけど、あの明るさがいいんだなあ。この人に「大丈夫だ」と言ってもらえたら湖の水だって飲み干せる気にさせられるヒーローの五指にはいる。
という、私の妄想を代弁するかのようにひたすらヒロインにモテる若様。
ヒロインに過剰に感情移入して、去っていく若様の姿に哀しみながら身悶えするのでした。
大川橋蔵最高。