スガシュウヘイ

ブリキの太鼓のスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

ブリキの太鼓(1979年製作の映画)
3.5
子役がすごい!ものすごい!
今まで一番すごい子役です!

1979年カンヌ国際映画祭パルムドール。
1979年アカデミー賞外国語映画賞。


醜い大人たちの姿を見て、
3歳で成長することをやめ、
悲鳴をあげると
ガラスを割ることができる能力を
身に付けた少年オスカルの視点から
第二次世界大戦へ突入していく、
ドイツ、ポーランドを追った作品。


オスカルを演じた
当時11歳の子役、ダーヴィット・ベネントの演技が
凄くて驚きました。

3歳で成長を止め、その後は姿は変わらず
年齢だけを重ねていくので、
心は少しずつ大人になっていきます。
こんな難しい役を
違和感なく演じたこの少年は、
私が今まで見た子役の中では、
一番すごいです。

キスシーンや、ベッドシーンもあります。
裸の女性の陰部に顔を埋めるシーンもあります。

家の手伝いにやってきたマリアと交わる時の
あの妖艶な目つきは
とても11歳の演技には思えません。



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以下ネタバレ含みます。
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オスカルの
母親は従兄と不倫し、自責の念から自殺。
自分の父親かもしれぬその従兄は、
ポーランド郵便局襲撃事件で、射殺される。

ブリキの太鼓を叩くオスカル。


その後息子・クルトが生まれるが、
マリアは自分の父親とも関係していた。
失望したオスカルは家出し、
ベプラのサーカス団で前線を慰問。

サーカス団で恋をし、
幸せな日々を送るが、
そこへ連合軍の侵攻があり、
恋人は死んでしまう。


“君の年齢すらきけなかった”


またしても死の臭いが漂い始める。
オスカルは太鼓を叩き続ける。

ダンツィヒへ戻るが、
ドイツ敗戦前夜に父親が殺される。

父親の墓で
再び成長することを決意したオスカルは
ブリキの太鼓を捨てる。
そこへクルトが投げた石がぶつかり、
オスカルは意識不明に。

意識不明のまま成長を再開し、
オスカルはじゃがいも畑を運ばれていく。



見事なストーリーです。
激動の時代を生きた、
奇妙で純粋な少年の戦争。


製作:1979年(西独、仏、ポーランド)
監督:フォルカー・シュレンドルフ
出演:ダーヴィット・ベネント