真田ピロシキ

スネーク・フライトの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

スネーク・フライト(2006年製作の映画)
3.4
わざわざDVDを買って見たプレステのステマ映画。神様。プレステ様。正直に言うとそこだけが目的だったのだが、真面目に見てもそう悪くなくて題材的に航空会社がスポンサーについているだろうからか航空関係者の奮闘が目に付く。例えば死ぬ寸前まで操縦し続けた副機長だったり、赤ちゃんを助け出して命を落とした年配のCA女性や一見すると死に役にしか見えないチャラそうな男性CAも仲間思いかつお客様ファーストで職務を果たす姿が描かれていて、お仕事映画としてなかなか良い。

またトイレで致してお約束どおり昇天されるバカップルやムカつくビジネスマンのように死ぬために生まれてきたキャラクターもちゃんといるが、白人には触られるのも嫌な尊大な黒人ラッパーが少し改心して白人男性と握手を交わしてボディガードをしている黒人男性の大一番に発破をかけたりと極限時の人間的成長を描かれていて深くはないが悪くもない。予算がそんなにないのか蛇が常に出っ放しという訳でもないためこうした一応のストーリーが必要で、それは十分役目を果たせているかと思う。

しかし蛇がメインディッシュなのに意外とボリュームに欠けるのはB級映画として物足りない。もちろんうじゃうじゃと出てきて気色は悪いし、表れ方も計器の隙間や荷物棚、座席下、便器(笑)と飽きさせないようバリエーションに富んでいる点は評価されるべきであるが、蛇自体が素人目には同じようなものばかりで見分けが付かないのが痛い。ビジネスマンのオッサンを殺したのは例外的に大物だったが、ああいう景気の良いのをもっと見たかった。サミュエルのギャラにかなり費やしたのかもしれない。マザファッカ劇場は見せてくれるのでサミュエル映画としてはそれなりに。

そしてこの映画最大の爆笑ポイント プレステ様ですが、PS2にそんな高度なフライトシミュレーターあるの?なんて無粋なツッコミはしちゃいけません。北米にはあるかもしれないしプレステを信じろ。プレステは最強なんだ!『チャッピー』でもPS4で意識のバックアップだかなんだかやってたし。まぁあれはSONYの映画なんだけど、この映画は特にエンドロールでも提供に名前なんかなくて事前に「プレステか?XBOXか?」と確認させてからプレステ推ししてるのが凄いね。また2000時間も一つのゲームをやってた超ゲーマーが大勢の命を救うヒーローになる展開はゲーマーに夢を与えていると言えて、今のeスポーツ盛況時代を先取りしていると言える。そんなわきゃーない。