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プライド 栄光への絆のbabyのレビュー・感想・評価

プライド 栄光への絆(2004年製作の映画)
3.8
テキサス州に校舎を構えるパーミアン高校はアメフトの強豪校。それに小さな町全体が彼らチームパンサーズを熱狂的にサポートする。小さな町から強く抑圧されたプレッシャーは計り知れないほど重く、彼らを不安が充満した小さな箱へと閉じ込める。
大きいゴールドのリングが象徴するかの様に、過去栄光に囚われた大人はあまりにもみっともないほどの押しつけや圧をかけるが、途中それだけでなく、彼ら自身がスポーツにかける情熱も知ることになる。途中オフでさえ試合の話をする彼らの会話の中に『元気を出そうぜ まだ17歳だぞ』『17に思えるか?』『実感できない』という会話があった。

この時、彼らがこれほど自らを追い込んでやっている価値が、自身にも潜在的に存在するんだなと思った。町の熱狂的なサポーターと一緒で、ずっと一緒に育ってきたスポーツの想いは彼らも一緒なんだと。

後半、数々の試合映像はドキュメントの様に緊迫した状態で映される。地に這う様に身を削って闘う彼らの姿は忘れられないほど、胸を熱くさせるものだった。最後の試合、会場の熱量は僕にまで届き熱くなった。彼らの試合をサポートする、コーチのロッカールームでの言葉。勝ち負けではない、スポーツの醍醐味が凝縮されていた気がした。『完璧に』いつも伝えるその言葉の意味は『結果ではない、勝利でもなく、君達や家族、友人達との関係のことだ』と続け『ベストを尽くし、澄んだ目と愛情を持ち続けろ。生きる喜びもだ。それができれば完璧だ』と。

パンサーズが迎えるエンドはどうであれ、最後のコーチの言葉は彼らに届き、コーチもまた最後まで戦った。これこそが栄光なんだと心が熱くなる。綺麗事ばかりではない、小さな町での期待を背負ったチームの物語はリアルな醜さとリアルな美しさで詰まっていた。
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