YasuhitoArai

インサイド・ディープ・スロートのYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

3.6
2万5千ドルの製作費でありながら、全米公開され、6億ドルを稼いだ伝説のハードコアポルノ『ディープ・スロート』の製作に関わった人々、当時の社会、政治に焦点を充てたドキュメンタリー。

監督のジェラルド・ダミアーノが中心的に語る。映画冒頭で、ジョン・ウォーターズがインタビューに答えてて、この手の映画にはやっぱりお前も出るのかと笑った。

ニクソンを中心とした保守派のポルノ断絶と、表現の自由、既存制度への反抗を掲げる製作者達。70年代初めという既存の枠組みへの反抗する時代の流れに乗っかり、ポルノも反骨の象徴、表現の自由化の象徴となる。ニクソンからカーターに移り、弾圧は弱まったが、再びレーガンの超保守に替わり、ポルノは冷遇される。だが、テクノロジーの発達により、ビデオが普及し、芸術性よりもお金重視の大量生産になる。
社会での集団の対立、齟齬が描かれていて面白かった。

『ディープ・スロート』で男優を務めたハリー・リームスはやっぱり格好いい。ジャック・ニコルソン、ウォーレン・ベイティとのスリーショットは感動した。

ナレーションがデニス・ホッパーで笑った。
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