TAK44マグナム

チャイルド・プレイ3のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

チャイルド・プレイ3(1991年製作の映画)
3.7
性懲りもない!


「13日の金曜日」のジェイソンや「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスと並ぶ、ホラー映画界のスター殺人鬼チャッキーが活躍する殺人人形ホラー第3作。


グッドガイ製造工場で完璧に蹂躙され尽くしてから8年、またもや性懲りもなく復活したチャッキー。
メチャしつこい性格は相変わらずで、アンディの身体を乗っ取ろうと自ら郵送されます!
もう、この冒頭からしてバカで素晴らしい!
どうやって自分を包装したのか?
誰かを騙したの?

しかし、アンディももう16歳。
女子とキスしても良いお年頃なのです。
そこで、チャッキーは目標を即座に変更。
スネ毛も陰毛も生えていない、幼い少年タイラーを狙うのでした。

アンディは里親の家を転々としていたのですが、陸軍学校に入学します。
そこでタイラーと知り合いますが、タイラーは本当にお子様なので、まだまだ遊びたいお年頃。
アンディと話している最中もゲーム機を手放しません。
(ちなみにこのポータブルタイプのゲーム機はアタリ社のLYNXです。一時期、日本でも販売されていました。今みるとデカい!)
そんなタイラーがアンディ宛の小包を渡すように頼まれますが、中身がグッドガイ人形だと知ると勝手に開けてしまいます。
ふつうにダメだろ(汗)

さて、チャッキーの正体を知らないタイラーは「魂取りごっこ」に応じて大ピンチになりますが、すんでのところで助かります。
それでもチャッキーをたんなるオモチャだとしか思っていないタイラーは、事に気付いたアンディの忠告にも耳を傾けません。
アンディはアンディで上官から目をつけられ、理不尽にしごかれるハードコアな毎日。
このままではタイラーの身体が湖畔の絞殺ことチャールズ・レイのものになってしまうのも時間の問題!
しかも、悪知恵大学主席卒業に違いないチャッキーお得意の罠によって、アンディたちに最大級の危機が迫るのでした。
はたして、アンディはタイラーを救い、今後こそチャッキーを地獄送りにすることができるのか?
忌まわしい因縁に終止符をうつため、ファンハウスが(主にチャッキーにとっての)本当の地獄と化すのであった!



アンディと良い仲になるクリスティンが訓練を抜け出して森を抜けると、眼下にはカーニバルの夜景。
何だかロマンティックな気分になり、アンディにクリスティンはキスをします。
我々は彼を6歳から知っているわけで感慨深い(苦笑)
ともかく、そのカーニバルがクライマックスの舞台となります。
全編の殆どが陸軍学校のくすんだ色合いなのに、終盤だけは鮮やかなカーニバルの毒々しい煌びやかさの中でアンディとチャッキーの宿命の対決が描かれるんですね。
決戦の地は、ホラー映画でのカーニバルときたら定番であるファンハウス。
お客を乗せた自動カートがレールの上を通り過ぎる中、「機動戦士ガンダム」の最終回、もしくは「マジンガーZ」の最終回or「マジンガーZ対暗黒大将軍」みたいに徐々に破壊されてゆくチャッキー。
そう、いつものパターンです。
最高!
死神のカマに顔半分を削げ落されれば「ギャアアアアア!」と悲鳴をあげるチャッキー。
殺人鬼の方がギャーギャーいってるスラッシャーホラーも珍しいですよ(苦笑)
でも正直、前作より少々パワーダウンしている感も拭えず、その点が残念。
もっとハッチャけてもバチは当たらないのに。


3作目まで観ても、エログロの類が全然無い、ある意味健全なホラー映画。
これなら家族でハロウィンに観るホラー映画としても推せそうですね。
もしかしたら、お子様が人形を怖がってオモチャを欲しがらなくなって家計が助かったり散らかさなくなったりと効能があるかもしれませんし、殺されちゃかなわないのでオモチャを大切にするようになるかもしれません。
そう、「チャイルドプレイ」こそ暗黒版トイ・ストーリーだったのです!
ジョン・ラセター率いるピクサーは、「トイ・ストーリー」の原案を暇つぶしにレンタルしてきた「チャイルドプレイ」から閃いたに違いありません!

・・・そりゃないか!


アマゾンプライムビデオ、セル・ブルーレイにて