まめまめちゃん

ダークナイトのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.0
「Joker」に向けて復習。
公開当時に見たけど当時は大して映画を数見てた訳じゃなかったし、
思考はとことん偏っていたと思う。
ヴィランはバットマンがやっつけて、
ゴッサムシティには平和が訪れるんだと思ってた。
それが一番の平和への解決策だと思ったし、
そうでなきゃ物語は完結しないと思っていた。
でも、違ったのが衝撃だった。

正しいと思ったことが、別の角度から見たら間違いだったりする。
十分だと思ったことが別の人にとっては不十分だったりする。
死が最大の不幸だと思う人もいれば、生が最大の不幸だと思う人もいる。
ヒーローがやることに100%の正しさがある訳ではない。
それでも不安定な世の中にあってこそ人はヒーローを求める。
そこにいるヒーローは燦然と輝いていて、誰もが幸せになるよう導いてくれる。

本作のバットマンは、不特定多数が「ある程度」間違いのない場所にいられるよう結果として影となる存在だ。
本質的にはヒーローであるのに、人々の求めるヒーロー像でないばかりに日の目を見ることがない。さらには何かがうまくいかないときに真っ先にサゲられる存在だ。
でも幸せとは、光り輝く何かに下から支えられてひっそりとぼんやりと浮かぶともし火のようなものなのかもしれない。
ともし火が消えそうな風が吹いた時にだけ思い出すヒーローだなんて寂しいけれど、そんな縁の下の力持ちをいつも応援し信じ続けられる人間でありたいと、心から願うのだった。

強いて言えばとにかく夜のアクションが多く捉え難いシーンが多くて残念。