まめまめちゃん

あのこは貴族のまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0
診療報酬が下降の一途を辿る昨今の医療業界において、東京で仮に代々継がれてきた病院の院長の娘であったとしても、これほどまでにお嬢様然としていられるかはさておいて(私の周りにいた医者の娘って大抵小さい頃からゴリゴリに勉強してて大変そうだったよ)。

さらには東京タワーの見えるマンションが貧乏人の住処といえるか否かもさておいて。

地方の普通公立高校出身だと授業がカリキュラム通りに終わりにくいという事情で、東京で学びたい意識高めな地方高校生は科目の少ない私立大学を目指すということのようです。
ですがそこには内部生がおり、学力では大差ないはずの両者に越えられない壁が存在し、家柄から交わらない構造であるという前提が存在するようです(映画内の台詞から)。

その大きな壁を、自らの内々から湧き出てきた様々な感情と共にお互いが違った形で打破し交わって尚、己の人生を生きていく、そういう物語なのかなと思いました。柔らかい空気の中に力強さがこめられています。台詞少なめ、東京の風景多め。でもとても表現の豊かな映画でした。


私も地方で高校まで公立→私立大学に行きました。お金のない私は、大学の伝統的な奢り奢られ関係、試合や試験の度に数万円を必要とする生活に辟易して早々にサークルを辞め、レンタル屋やカラオケ屋やビジホの朝食でバイトしひとり暮らしの部屋でのビデオ(時代はDVDになってましたがデッキがなかった)鑑賞が趣味という大学生活を選びました。当初は確実に浮きましたが徐々にこっち側が増えてきたので、大学や学年によって違うんだなという印象でした。