オレンチ

ダークナイトのオレンチのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.8
リピート鑑賞。

「バットマン アーカムナイト」発売記念鑑賞!

クリストファー・ノーランによるダークナイトシリーズ第二弾!

バットマンとジョーカー。表裏一体として語られる二人を、原作を超えるほど表現されている。これだからこの作品は面白いんだと思う。

この映画がきっかけでノーランとヒース・レジャーは世界中にその名を轟かせた。
公開前の「ありがとう、ヒース・レジャー」というCMとDVD発売時に「覚悟しろ。度肝を抜かれる。」というキャッチコピーが今も頭に残ってる。

もうね、劇場で3回見たよね笑
先行上映と公開中に1回づつ見て、「ライゼス」公開前に「ビギンズ」と「ダークナイト」の連続リバイバル上映に足を運んだ笑
そんくらい虜にされてます笑

前作の「ビギンズ」が予想を上回るヒットを飛ばし、続編製作が決定、ヒースがジョーカー役に決まった時はついに来たか!という感じでした笑

前置きはさておき、前作を引き継ぎリアリティを追求する形で物語は描かれる。
今作最大の魅力は語らずともみなさんご存知ジョーカーの存在。
クリストファー・ノーラン、ヒース・レジャー、ハンス・ジマーが完璧なまでのジョーカー像を作り出してしまった。

まずは言わずとも周知の事実、ヒース・レジャーの圧倒的な演技力。
このジョーカーが恐ろしく見える個人的な解釈は、喜怒哀楽の「喜」「哀」が欠落し、「怒」と「楽」の境界線が全く見えないこと。それをこれでもかと言うくらい熱演してる。
その秘密は徹底された役作りにあるのでしょう。
ヒースは一晩中家にこもり、あの「笑い」の練習をしたり、ジョーカーのメイクは本番前にヒース本人が「ジョーカーだったらこうやってメイクする」と素手でメイクしたもの。

たびたび怪演をするゲイリー・オールドマンのヒースが亡くなった後に残したコメントで「私がもう少し若ければジョーカー役が回って来ていただろうが、彼ほど上手く演じれなかっただろう」と言わせるほど。
またアカデミー賞は故人には厳しい風潮があり、なかなか亡くなった人には与えられないのだが、ヒースはこの役でアカデミー助演男優賞を受賞した。これは史上で2人目の偉業。
そんくらい演技がすごいってことでしょう。
他の俳優陣も演技力は確かなものなんだけど、今回にいたってはすべてヒース・レジャーに飲み込まれている。

またノーランが演出する、ジョーカーの真骨頂、悪趣味かつ狡猾な計画犯罪と謎に満ちたジョーカーをしっかりと作り上げている。
原作でもしばしば自分の過去を語るジョーカーだか毎回話が異なる。これが上手いこと映画に盛り込まれていて余計に不気味さを演出している。
そしてハンス・ジマーが奏でる緊張から一気に爆発する音楽。
それら全てが「度肝を抜かれる」ジョーカーを作り上げている。
そのジョーカーは”光の騎士”ハービー・デントをトゥー・フェイスという"悪"に落とすという「誰にでも心の奥には悪がある」ということを証明する形で完璧に幕を閉じる。
これもまた、ハービーがトゥー・フェイスにとなる原作ネタを非常に上手く取り込まれていて最高でした。

またノーランの完璧主義もすごいところで、冒頭のビルからビルへ乗り移るシーン、中盤トラックがひっくり返るシーン、病院が爆発し廃墟と化すシーン、そしてバットポットが走り回るシーン。どれも実写で撮っている。これは必見です。

ありがとう。ヒース・レジャー。