mmas02

ダークナイトのmmas02のレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0
【再鑑賞によりレビュー大幅修正】

私が本作以前にイメージしていたアメコミ映画って、ド派手なCG使ってなんぼのB級テイスト路線でした。
つまり、「教訓や哲学じみたドラマは退屈要素だから避けましょう」、「ヒーローが無敵の如くバンバン敵を蹴散らせば爽快だよね」という感じが伝わってくる作品が多かったということです。
これに対して本作は、考えさせられずにはいられない重厚なドラマを全面に押し出してなお退屈に感じさせない魅力がありました。
そして、高い興行成績によって成功を収めました。

この成功の立役者は二人。

一人は、クリストファー・ノーラン監督。
秀逸なストーリー構成は本作以降のアメコミ映画にも影響を与えていて、アメコミ映画の歴史を変えた人と勝手に思ってます。

もう一人は、ジョーカーを演じたヒース・レジャー。
狂気をじわじわ感じさせてくれる怪演に、役が乗り移るってこう言うことなんだろうと思わせてくれました。

この二人の功績から、評価は星5つ以外考えられません!

ストーリー上、ジョーカーは地位や金銭など何かが欲しくてバットマンを追い込む訳ではなく、「善が活躍するために悪は必要」という存在意義のもと行動します(アンパンマンとバイキンマンの関係性と類似)。
また、敵であろうと誰一人殺さずを貫こうとするバットマンの甘さがどこまで通用するかを問うために「誰かを救う代わりに誰かを見捨てる」という命の選択ゲームを狡猾に準備して挑んできます。

卑劣極まりなく手段を選ばないジョーカーですが、カリスマ性が高く、主役であるバットマンを完全に食ってます。
ジョーカーに対し、バットマンは疲労しきっててずっと元気がありません(このしょげ具合は次作のライジングまで引っ張ります)。

本作は公開初日に大きな期待を持って鑑賞し、上映後から夜寝るまで余韻で落ち着かなかった作品でした。
この映画が好き過ぎてジョーカーメインの輸入ポスターを買って部屋に飾ってる位好きです。

こんな熱の入ったレビューにジョーカーはきっと「Why so serious?」と言うに違いありません。
mmas02

mmas02