Automne

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのAutomneのレビュー・感想・評価

4.0
精油前の地下原油のような黒々しさと爆発する油井のような激しさが凄まじかった。
はじめはトラッドな伝記映画の感じかなあと見ていたが、中盤の懺悔シーンや信仰を巡る終盤の畳み掛けはPTA色満載◎
原作は息子が主人公なのに父親を敢えて主人公にしたところや、捻りの効いたシーンの数々、劇伴の入れ方、セリフ少なめだが伝えるところはしっかり伝える感じ、やはり総じてレベルが高い。
開拓時代のアメリカではこんな風なことが日常茶飯事だったんだろうなと感じられるリアル。
個人的にはネイティブアメリカンの土地とかで揉めて、そこをスピリチュアル要素とつなげてレヴィ=ストロース的にして欲しかったが、たぶん当時のアメリカ人は問答無用でネイティブアメリカンの土地は窃収して彼らを奴隷にするだけなので、時代性からキリスト教南部カルト風味にするしかなかったのかも(人民寺院もカリフォルニア州でした…)。
それでも骨太で見応えたっぷりの良作でした◎
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