せびたん

ざくろの色のせびたんのレビュー・感想・評価

ざくろの色(1971年製作の映画)
5.0
序盤10分くらいは雰囲気がめっちゃゴダールでした。どちらが影響を受けたのか、それともこの時代のモードだったのか分かりませんが。これはいい。

資本主義的要素がほぼほぼゼロな映画っていうんですかね。商品じゃない映画?アートとしての映画?みたいなやつ?
分かりやすくて共感しやすい物語もなければキャッチーな音楽もなく、今のこの軽く運動不足を感じるほどヒットポイントがFullな時期じゃなければ私なんかは余裕で寝落ちしてたかもしれない作品でしたが。目が退屈しないのです。そして音が心地よいっていう。

ともかく手間がかかってる映像なんですよ。これは採算を考えなくていい社会でしかできないはず。

CGが使われていない純粋な意味で実写であることの奥深ささ。
とある民族をモチーフにされた映像を眺めていることで心の中に湧いてくるイメージ?心象風景?のおもしろさ。
そういうのが楽しい映画でした。
もっと綺麗な画像で見れるのなら円盤買いたいです。このレベルの画質なら、いらんけど。

一方にこういう作品群があったから、昔の資本主義国の映画も影響受けて引っ張られて、今のより深みがあったのかも。
ていうかパラジャーノフさん、火の馬に続いてこんなの作ってよくぞご無事でしたね、という思い。
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