長尾蛙

ベルリン・天使の詩の長尾蛙のネタバレレビュー・内容・結末

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

パーフェクトデイズで初めてヴェンダース作品に触れたところに、タイミングよく午前十時の映画祭!
BGMがやや不穏なわりに作品じたいはそんな明確な不穏さもなく優しい、というのはヴェンダース監督あるあるなんだろうか?

天使は図書館が好き?同業者はみんな分厚いコートを着て、勉強に励む人々の肩に優しく手を添える。天使に触れられると心が穏やかになるんだろう。
でも人間の行動には干渉できない。天使に触れられても、そこからどうするかはその人次第。希望を見いだして心機一転歩き出せる人もいる。晴れ晴れと、自らの死に踏み出す人もいる。カシエルの悲痛な叫び…。
そういえば天使はいるのに、「神」には言及されていなかった気がする。これは特定の宗教のはなしではないから?でもそれがいい。神には抗えぬ力が発生しがちだが、ここにいるのは事象を見守るだけの天使。

人間の世界は楽しいだけじゃない。苦痛も悲しみも絶望もある。それでも「そこにありたい」と思ってしまったダミエル。初めて味わうものが血の味ってどうなんだ!?とは思うけど…。

いやーしかしまさかコロンボが元天使だったとはねぇ…
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