100人の人間がいたとして、99人が赤い花だと言う「それ」、自分にはどうみても「それ」が青い果物ナイフにしか見えない。
あなたなら、「それ」を青い果物ナイフだと99人を前にして言えるだろうか。
もし言えば、変わり者、変人、病人、そういった腫れもののレッテルを張られ、孤立は避けられない。
もしあなたが、それでも自分は嘘をつきたくない「それ」のことを見えているままに言いたいとして、それでも構わない生き方を選んだとする。その孤立にも強くあれたとして。
そんなあなたが、恋をして、好きになってしまった人が、
「綺麗な赤い花だね」
そう言ってあなたに微笑んでくれた時、あなたは何を思うでしょう。
何て言葉を返すでしょう。
その孤立を、あなたならどうしますか。
もしも、あなたが恋をして、好きになったその人が殺されたとして、
犯人を許せないあなたが、その犯人を捕まえられたとして、絶対にばれない方法でその犯人を殺せるとして、犯人を拉致し、監禁し、花瓶に彼の好きだった赤い花を挿し、これは復讐だ、あの赤い花が好きだった愛する彼を殺したお前を殺すのだ。
そう言って青いナイフを犯人の喉元に突きつけた時、
「俺には、青い果物ナイフが花瓶に刺さって見える」
「どうして赤い花を、喉元に突きつけるんだ」
そう言われた時、どんなことを思うでしょうか。
世界には、自分と同じものの見え方をする人間がいたんだと安堵するでしょうか。覆われた憎しみで気がづかないでしょうか。
続く。。
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