みい太郎

サラの鍵のみい太郎のレビュー・感想・評価

サラの鍵(2010年製作の映画)
4.0
フォローさせてもらってる方が挙げていて懐かしくて…
長くなりますけど(苦笑)

この手のものがダメなの解ってて確信犯のごとく、借りてしまいました。『黄色い星の子供たち』だとダイレクトだけれど(^_^*)少し視点がちがうかなあとパッケージで、判断してみました。

内容は…ユダヤ人の迫害に関わる
実際に合ったコトとリンクした物語。中々の脚本だと思います。タイミングとかリズムとかリアリティとか…絶妙で上手い。

ドイツの人々がユダヤ人の迫害を
したコトは誰もが周知の事ですが
フランスの人々もユダヤ人を迫害していたコト。若干だとなんとなくしか知らなかったけど…あれが事実なら私の認識がすげえ甘かったとまず胸が痛くなった。

一斉検挙の朝、利発な女の子が可愛い弟をかばい、納戸に隠れる様に諭し、鍵を閉めた。すぐに戻ってこれると信じて…それからの女の子の闘いを描いています。

そう、闘いの…恐怖や不安や孤独や哀しみ…度合いは違えど…多くの人が生きる中で立ち向かう事ですが…皆さんはご兄弟がいますか?途中から私は想像してしまいました。もし、サラの立場になったなら…どうだったか?彼女と同じ様な行動がとれただろうか?
大切なモノを守るため闘えたろうか?怖さとか悲しみとか…心細さとか。子供の時代にサラと同じ状況になったとしたら…想像しただけでサラの気持ちを考えると苦しくなる。

サラは納戸に入れたのではない。
大切なモノを隠したのだ。それがなければサラは生き抜くコトは
できなかったし、彼女の存在がなければ物語に出てくる関わった人達の想いも全然違うものだと思う。物事は全て繋がっているのかもしれないなあー。と。物語は実話ではない(^_^*)けれど…

実際起こった戦争中に実際にあったユダヤ人迫害。きっと私は初めの5日で気が狂ってリタイヤだ…と、根性なしを改めて思ったし、
リンゴを踏まないでくれた彼の最期の精一杯を観て…『それが精一杯だよね。』と…声にだしていました(苦笑)

あれは瞬間的な人間の本能だと思う。迫害中、ひどい事をしないまでも助ける行為をする事はなかなかあの中にいては自分や自分の家族にも影響するし、その場にいたら、彼と同じ事が出来るか?

サラ役のメリュジーヌちゃん。
素晴らしく間合いの上手い子役。
いえ、子役と呼ぶには失礼な気がするほど、上手な女優さん。賢くて凛とした女の子をきちんと演じている。どこの国でも子役の役割は大きいのだねと(^_^*)実感。

彼女が大人になり起こす行動。強くて…美しくて…哀しい。悲しいけれどよくがんばったよね。と思わず抱きしめたくなる感情になる。哀しみと切なさと…不思議なんだけど逆に元気をもらうというか。

自分が今幸せである。
ことに感謝するし、がんばろう。という気になれる映画でした。

最後のシーンは、特に間合いも素晴らしいし、ぐぐっと鷲掴みされた(笑)戦争モノや迫害モノが苦手な方はあまり勧めませんが…いい映画でした。
みい太郎

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